出来心のフォアキャスト -スマイルズの年賀状2026


また今年も明けてしまいました…
皆さんお元気ですか?私は元気です。

昨年の春ごろかな、とある社員が「私はパリに呼ばれているんです。今年行かなければならないんです!」とパリで展示会をやりたいのだという提案。弊社の計画にもなければ、予算もない。将来のビジョンで海外ディストリビューターになる!なんてこともない。会社からすればもはや”出来心”のような提案。でも彼女の目は真剣そのもの。「じゃあどうぞ。」ってことで、仲間や事業者の方々を巻き込み、パリ・ユネスコ本部で日本の食文化を紹介するに至りました。即座になにかに繋がったわけではないんですが、私の中にも沸々と妄想が膨らんでいく。「本腰で海外展開を考えてみるか。」なんて機会を得ました。
 
ところで、そろそろ来期の計画やらクワダテやらをまとめる時期がやってきました。いつもこの時期が陰鬱になるのはよくあること。目の前の現実と、導きたい未来との綱引きが脳内で繰り広げられます。

企業の未来や事業の行く末を見据えるとき、よく登場するのが、バックキャスティングするのか、フォアキャスティングでいくのかということ。
フォアキャストとは、現状の課題や過去と向き合い、予測的に将来を見据えるアプローチ。
一般的な事業プロセスだと言われています。
バックキャストとは、”ありたい姿”やヴィジョンを描き、そこから逆算的に”今何をすべきか?”を考えるアプローチ。その方が非連続な成長につながりやすいとまことしやかに言われております。
特に新規事業や新しいことをやるときにはバックキャスティングが有効と言われ、活用している方や企業も多いのではないかしら。

私も比較的バックキャスト思考ではあるのですが、ちょっと落とし穴がある気がします。
逆算でステップを描いた際、結構まっすぐ成長していく直線を描きがち。でも新しいクワダテが成功にいたる背景は、大概紆余曲折がつきものです。そんなに思い通りには進まない。自分が描いた線の外に機会があることの方が多い、あるいは偶然の出来事が機会を与えてくれることもしばしば。
そして紆余曲折を経ると、そもそも”ありたい朧気な姿”が書き換わってしまうかもしれない。

そんなことを考えると、バックキャストはほどほどに、虎視眈々といつ現れるともしれない機を狙いつつ、今、持ち得ているリソース、偶然の出来事、そして出来心とも言える思い付きをカタチにしてみることも大事なんじゃないかと思ったりします。手の届きうる小さな未来を手繰り寄せ、集めた先にあるまだ見ぬ”ありたい姿”なんていうのも一興。そんな偶発的機会も包含したフォアキャストだってなかなか魅力的です。

さて話は戻って冒頭の彼女、いざやってみると、本当に大変なことの連続だったようです。もしかしたら、未経験であるが故にご迷惑を周りにかけてしまったかもしれません。それはそれで反省すべきではあるのですが、もはや凛々しく前を向いてほしい。スマイルズのあるいは関係していただいた皆様のまだ見ぬヴィジョンの初めの一歩を踏んだのだから。そしてこれからが大切。今年も当然期待しています。

ほんの出来心が生み出した出来事や事業やヴィジョン、そんな会社があってもいいよね。
将来、振り返ればそれが確かな轍になっている。あたかも「はじめからそのつもりでした!」というバックキャストだったみたいに。
出来心を大切に、計画なきクワダテを。

2026年正月
スマイルズ代表取締役社長 兼 CCO 野崎亙

※内容、表現、肩書、各種名称は、公開当時のものをそのまま掲載しています。
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