2017年新年の挨拶 「ほとばしること」


明けましておめでとうございます。

さて先ずは2016年を振り返ってみます。
皆、それぞれに頑張ってくれました。ここでは新しいことだけを抜き取ってみます。
Soup Stock Tokyo分社化、アルバイトからの初役員、also Soup Stock Tokyo、エイプリルフル企画、瓶のビール、伊東豊雄事務所交換留職、Curry Stock Tokyo、檸檬ホテル、ほてるホテル、SST博多・銀座・中目黒、SSTグランプリ、giraffe路面店、亀屋のあんぱん、PAVILION、おだし東京などなど。
実に多くのチャレンジをしています。
そしてそのどれもが、自分たちが想定するラインをちゃんと超えている。
SSTも、売上利益ではなく、商品もファシリティもやり直して、そしてスタッフとお客さまとのコミュニケーションを第一義に再構築してきました。
おだし東京もとにかく良いものを作って、コストはそれから調整する。
そうやってやりたいこと、やるべきことに突っ込んできた。
そんなことでコストがふくれて業績はしんどいことになりそうですが(苦笑)でも、それすらも意外に悪くないかもと思いました。
例えば一番極端な例を言うと、こういう状況でもアートの作品を買う。
我々に必要だから、アートとの関係をコミットしているから。
お金が余っているから趣味でやるのではない。金ならないが、買う。
なんだか本気度が変わってきます。
店やビジネスがそうです。
余力があるから趣味でやるのではありません。
しんどくても、しんどいからこそ、研ぎすまして、本気でぶち当たる。
ビジネスやチャレンジには失敗はつきものです。だから、腰が引けて相手の顔色を伺っているようなことをやるのは一番始末が悪い。
思いっきりできていれば、良くなるまで踏ん張ればよい。
そうやって、一つひとつのブランドがちゃんと堂々として、そして一つひとつがどこにももたれかからず、しっかりと自立する。
今年はそういう年にします。

先日ネットで、商売の基本として、
集客・ファン化・リピート
の3つがあげられていました。
当たり前のようだけど、この3つをしっかりやることでビジネスがどんどんと上昇すると。
スマイルズにはなさそうな言葉です。これを言うなら、やりきること・共感・コミュニケーション、とでもいうでしょうか。
でも、ここはあえて、
集客・ファン化・リピート
これを一緒にせず、それぞれをしっかり自覚して行うのが肝心なのだと。
そう思って改めてみてみると、例えば私はPAVILIONに連日いっていますが、
集客は店のコンセプトや商品やブランドそのもの。
その後のファン化。
これは完全にスタッフの世界です。
これができているか。サービスが作業化していないか。オープンしたてという良い訳もあるかもしれないが、一人ひとりがファンになって頂けるような意識があるか。社員もパートナーも全く同様です。
そしてリピート。
ファン化と似ているようで、違う。
また来たい、と思って頂けるような意識とアイディアをもって行動をしているか。基本中の基本ですが、SSTでもPASS THE BATONでもgiraffeでもalso Soup Stock Tokyoでも、
集客・ファン化・リピート
をそれぞれ分けて意識できているか。
普段の私から出てくる言葉ではありませんが、でも、これを意識して本当にその手応えをもって仕事ができたら、それこそが本当に楽しい自分ごとのやりがいのある仕事になると思います。
皆さん、ぜひ取り組んでください。
本人にとっても、会社にとっても、一番美味しいところだと思います。

私は年末に一人で伊豆に温泉にいって、レストランでのある体験をFBにあげました。私が一人で涙をながしながら食事をした話です。良かったら見て下さい。

さて、正月に、岩田宏さんという詩人の「感情的な唄」という兎に角好き嫌いを並べた詩を読んだので、私もちょっとその気分で書いてみます。

「スタッフの笑顔が好き。
お客さまの笑顔が好き。
スタッフの仏頂面が嫌い。
お客さまの仏頂面も嫌い。
皆仲良くが好き。
皆仲良くだけは嫌い。
最高だね、って言われたい。
スルーされたくない。
さすがだね、って言われたい。
まあこんなもんだね、って思われたくない。
動き回る人が好き。
お地蔵さんは嫌い。
かわいい人が好き。
かわいくない人は嫌い。
ユニークな人が好き。
ありえない、って言われたい。
同時に、やっぱり基本ができているよね、って言われたい。
いい涙が好き。
陰口が嫌い。
一生つらいだけの人生は嫌い。
その人らしい人生が好き。
自分たちで切り拓きたい。
自分たちの感性で開拓したい。

なんだか、当たり前のことの羅列になってしまった。

当たり前のこと、
と書いて、今気がついた。
われわれ、ちゃんと自分たちの好き嫌いの、良い悪いの感覚の上で仕事をしていると。
それって、当たり前のようでいて、きっと世の中的には当たり前じゃない。
好き嫌いが土台になっている仕事って、きっとそんなに多くはない。

だったらそれを強みにしよう。
そこを大事にしよう。
現状では、皆の生活ぶりがまだまだだ。
何かわれわれなりにできる新しい生活ぶりが開拓できないか。
仕事の仕方、生活の仕方、そんなことをもっと突きつめよう。
余っているから出来る事ではなく、工夫や価値観において、充実させること。
われわれだからそれを充実と呼べる、なんてこともありそうな気がする。

辛い作業や決めごとは、シンギュラリティの世界では、ロボットやAIがとって換わるだろう。
もっとほとばしるもの。
人間にしかない、ほとばしること。
好き、嫌い、良い、悪い、を土台にして、嬉しい!とか、出来た!とか、ありがとー!とか、ますますほとばしるってもの。
皆で、そうしよう。」

以上

※内容、表現、肩書、各種名称は、公開当時のものをそのまま掲載しています。