“半年遅れ”の賀詞交歓会 「自分の仕事は、恋のよう」展のご案内レター


※スマイルズ設立25周年を機に、2025年6月12日(木)に開催した
“半年遅れ”の賀詞交歓会 「自分の仕事は、恋のよう」展のご案内レターの文章です。

はじまりはSoup Stock Tokyoでした。当時商社に勤めていた代表の遠山は
友人と食事をしている時に、「突然女性が一人でスープをすすっているシーンが頭に降ってきた」と言います。
スープのことが頭から離れず、やりたいイメージが湧きあがり、密かだけどかなりの興奮状態になっていた
まさに「恋のよう」な出会いが、今のスマイルズにいたるスタートでした。

2000年2月、三菱商事のコーポレートベンチャー0号としてスマイルズが誕生しました。
巨大な総合商社がこんな会社を認めてくれたのは
合理的な判断や理屈、手段や制度をこえた偶然や幸運がはたらいたのかもしれません。
はじめてのことなので当たり前ですが、実績も経験もない。
ただ、ユニークで力強い仲間と恋の熱病によるエネルギーはあった、と聞いています。

私が入社したのは2008年の春でした。
ちょうど遠山がMBO(マネジメント・バイアウト)を実施し、遠山正道100%出資の会社となったタイミング。
社会人一年目の自分には正直そのことの意味はよくわかっていませんでしたが
当時のメンバーの表情を見ると、それは前向きで、やりたいことをやる
もっと独自の路線を突き進むような機運が感じられました。
スープに加え、ネクタイ、リサイクル、アーティストとして芸術祭への出展、海苔弁専門店など
勝ち筋よりも価値観を大切に、一つ一つの事業を展開してきました。

小さな会社の、僅かな道のりですが、色々なことがありました。
決して誰かに自慢できるような、賢い歩みではなかったでしょう。
それでも自分たちで考えて、悩んで、失敗もして、やり切ったら爽快で
褒められると嬉しくなってまた頑張ってしまう、時に浮つくこともありながら
地から足を離さず自分たちの足で小高い山を登り続けてきたことは確かです。

何より、共感いただけたお客さまや取引先さま、パートナーの皆さまがいてくれたことで
25年間活動を続けることができました。 皆さまのすさまじきご協力によって
「世の中の体温をあげる」場所やイベントづくりから商品・サービス・デザイン、プロジェクトもブランドも
思い描いたものもそれ以上のものも含め、多くのすばらしい景色を見させていただきました。
本当にありがとうございます。 感謝、感謝は尽きません。

さて、これからです。 まだまだやりたいことは沢山あります。
新しい景色を探しに登ってみたい山もありますし
「東京のど真ん中に山をつくる!」という叶っていない山づくりもあります(笑)
変化の激しい大きな流れの中にあっても、しゃんと意志を持ち自分たちの美意識を大切に
想像の先を探って、思考と実行を続けていきたいと思います。

ご存じの通り、ビジネスでもクリエイティブでも、どこの誰でも、今も昔も、何かをやるのはとっても大変です。
社長だって判らない、上司だってやったことない、先輩も後輩も関係ない
新しいものを生み出す現場はそんな仕事ばかりです。
何を考えればいいのか、どうやって進めればいいのか、問いを問うような日々に不安も迷いも少なくありません。

だからこそ、せっかくやるなら素直に正直に、せっかくやるならこれがいいと思ったものを
気持ちのよいメンバーで企てていく、それを仕事と呼べたらいいじゃないですか。
遠回りでも不器用でも、たとえ青臭く映ろうとも、私たちはそんなふうに在りたいのです。

そういえば、皆さんも、 既に企ての一員です(勝手にすみません) 。
ここで、誰かと誰かが、 出会って盛り上がって、恋のように何かがはじまる。
居てもたってもいられなくなって、 語り合い、 巻き込み巻き込まれ
いつしかチームとプロジェクトが立ち上がってしまった、 そんなシーンを思い描きながら
今この手紙を書いています。

これまで大変お世話になった、皆さまへ
時期外れの賀詞交歓会となりますが
皆さまとお会いしお話しできることを、 楽しみにしております。

2025年4月9日
スマイルズを代表して
取締役 吉田 剛成

※内容、表現、肩書、各種名称は、公開当時のものをそのまま掲載しています。