縦割りキンシ。たどり着いたのは、鍋ぶた型組織
スマイルズには部署という部署がありません。言うなれば全員大部屋ごった煮スタイル。
(※経費などの承認プロセスや会計のために最低限の部門分けはあります)
かつては複数の部署に分かれ、それぞれにマネジャーがいて、目標や予算が置かれる時期もあったのですが
部屋が分かれてしまうと、どれだけ「横の連携を意識しよう」「部署を越境しよう」と掛け声をかけても
個人の意識とはウラハラに、どうしても垣根や壁の影響を受けてしまう。
経費や人的リソースの損得を考えてしまったり、情報流通が部署の中に留まってしまったりと
小さな会社にも関わらず、小さな部分最適に陥ってしまいました。
むむむ、これは目指すところじゃない!ということで、思い切って部署・マネジャーを廃止。
所詮20人程度(※当時)の組織なんだから、余計な壁は取っ払って、社長以下全員フラットな「鍋ぶた型組織」に変化しました。
家に例えるならば、役割ごとに複数の部屋に分かれ、壁面が構造となる西洋家屋モードから
障子やふすまでゆるやかに仕切ることが出来つつも、大きな1つの部屋である日本家屋モードになった感じです。
大事なのは「誰が何を知っているか」「誰が何をできるか」を知っていること(Who knows what / Who can do what)
では、どうやって仕事のやりとりをするのか。
営業部、企画部、デザイン部、広報部といったハコがないので、「部署に仕事を頼む」という発想はありません。
ゆえに効率は悪いのですが、都度都度「誰が最適か」を思考することが大切になります。
「彼女の地元の案件だから熱量もってやるだろう」「そうえいば、彼は魚に詳しかったよね?」
「長年、某野球チームを応援し続けているあの人に…」「週末、コーヒースタンドをやるくらいの珈琲好きの…」
「そういえば実家がたこ焼き屋さんって聞きました」「昔アイドルを夢見ていたらしいので歌ってもらう?」など
生産性よりも可能性が最大化する、各人のアサインメントからプロジェクトは始まっています。
スマイルズのプロジェクトは、やることが決まっている案件は非常に少なく
大半が「何をやるか?」からクリエイションするものです。
(たとえ決まっていても、そもそもそもそも…と、上流に立ち戻ってしまう習性があります)
そのため、生産性を意識したツリー型のヒエラルキー構造ではなく
リゾーム型のネットワーク構造を基本とし、メンバーがお互いの得意や強みを把握していること
つまり、誰が何を知っているか / 誰が何をできるかの知(Who knows what / Who can do what)が不可欠です。
入社時の初タスクは、60時間耐久『全員面談』?!
「誰が何をできるか」の相互理解のために、スマイルズでは『全員面談』が恒例となっています。
文字通り「全社員と面談をする」ものなのですが、導入当初はメンバーが10名程だったので
1週間で終わったものが、今は人も増え、一人1時間×60人=60時間・・・
プロジェクトと並行してやっていると2~3か月は当たり前にかかる大仕事になってきました(笑)
会社としても個人としても時間コストは小さくないのですが、これをやっておくのとそうでないのでは
オンボーディングとプロジェクトでのシナジーに大きく影響することが経験から分かっています。
参考)スマイルズのThinkingsより
自分の”GOOD AT DO”を見つけてみよう、見つめてみよう。
HAVE TO DO, WANT TO DO, GOOD AT DO
ともあれ型は定めず、Do the モードチェンジ
組織の型について、話してきましたが、理想的なのは「これ!」と1つの型に定めることより
その時々によって「型を使い分ける(=モードチェンジ)」ことです。
スマイルズはメンバーが相互に繋がって、柔軟に連携し合い
情報や資源を共有しながら活動するリゾーム型を基本としつつも
「ここはすぐに決めて推進したい」「やばい!緊急事態、一刻をあらそうぞ」といった状況では
ヒエラルキーに従うツリー型にモードチェンジします。
万事万能な型は存在しないので、最適解を探して何か1つに定めようとせず
組織としてモードを使い分ける意識やモードが変わっていいんだ!という認識を持てると
内外の状況に適応できるようなり、マネジメントもメンバーも気持ちがラクになるかもしれません。
時にトップダウンモードも必要なれど、ボトムアップも楽しみたい。
価値づくりフェーズもあれば、収益執着モードだって欠かせない。
責任の所在を明確にすべき案件も、曖昧モードが個人の主体性を育むことも。
結局どっちなの?ではなく、どっちも大事。
ORよりもAND思考でいきましょう。
だから、右も左もAもBも、どっちも大事。
都合良く使い分けて。軽やかにモードチェンジ。
ルールもモードも。どっちも大事。
今はどちらにしようかな。